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デザインの練度

昨日に引き続き、上京。

デザイナーズウィークの一環、100%デザインの会場へ。

例年、いろんな知り合いの人がなにかしらに参加してはいたが
行かないでいた。
今年は、行けました。

100%デザインという冠はロンドン発だったような…
パクったのか?いただいちゃったのかなぁとか思いつつ、
入場料の1500円にもびびりつつ、散策。

「練れてない」って感じのものが多いっていう印象でした。

昨日、「自分の仕事をつくる/西村佳哲/晶文社」の柳宗理さんのインタビューの
なかで、
「彼ら(アメリカの自動車デザインを例に挙げて)はスタイリングを
追求して、机の上でレンダリングばかり描いていた。ー中略ー
 工場とか、作っているところに持っていってもね、ここがちょっと無駄だなあとか、
こういうのはお金がかかるとかね。そういう話がいろいろ出てきますよ。場合によっては
構造も変えないといけない。だから初めっから図面描いたり、レンダリングで
進めて行くなんて、どう考えたって無理だよ。まあだから、今の世間でしている
デザインのやり方って、やっぱりダメだね(笑)。」
一部のデザイナーや学生は、作業を始めると同時に、図書館へ
デザイン雑誌を見に行ったりもしちゃいますからね。
「いや、だからそれはダメだよ。それはダメだね(笑)それは本当にダメだね。」
爆笑してしまいました。
そんなにダメダメって言わなくてもいいのに…。
まあ、柳さんの手法からするとまるでダメなんでしょうね。
それに試作を繰り返さないでモノをつくりあげられるデザイナーは皆無でしょうし
机上のスタイリングのみのデザインというのは(プロダクトデザインとしては)
やっぱりダメなのでしょう。

だからかもしれませんが、なおさらそう感じたのかもしれません。

現在の技術・生産能力をもってすればアイデアスケッチを
カタチにするだけなら、難しいことではないのかもしれませんし。

私の持論なんですけど、アイデアっていうのは一種の啓示みたいに
降りてくる…(しかも時と場所はまちまちで、同じネタが複数の人に)

それをカタチにできる人、量産できる人、ビジネスにできる人がいる。

「これをやろーと思ってたのにー」というのがたまに海外の雑誌に
出てたりする。そう言うときに上記の持論を思い出すのです。

「あーこれ見たような気がする」っていうのもこの「啓示」に
よるものだと勝手に決めつけています。

だから、オリジナリティとかひらめきより
「練度」(造語です)みたいなものが
モノを見るときの基準にあります。

ちなみにロングセラーは好きです。

自分にもロングセラーのモノを作りたいっていう欲求があるし
自分でもそういう眼で自分の作ったモノを判断する。

思いつきにカタチを与え
機能性・適正な価格での量産が可能か(ハードル高し)
そしてそのたたずまいが自然か。

そんな風なベースでモノをつくっている自分を
モーエンセン展と100%デザインで再認識できたので
この2日間の外回りは意味があったように思います。
by cubit-papa | 2005-11-04 23:25 | モノ・コト・ココロ
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1967長崎生まれ。家具を中心としたデザイナーになるべく、マイペースな精進(?)の日々を送る。この猪口の量産化に向けて画策中。(最新形状です)天気がいいと仕事を中断しチャリンコに乗りたくなる症候群を発症。


by cubit-papa
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